外部のツールやapkを使わずに、公式ストアに有るアプリと手持ちのAndroid端末だけで Amazon Fire HD にGoogle Playストアを入れる方法をご紹介します。なお、root化も不要です。
はじめに
Amazon FireシリーズはAndroidのカスタムOSであるFire OSで動作しており、Androidのアプリが動く可能性が高いのですが、PlayストアやGoogle公式アプリのほとんどは提供されておらず、通常は使えません。また、Playストアで購入済みのアプリをインストールする事もできず、やはり不便に感じます。
Fireシリーズはそのままでも利用価値の高いタブレットですが、そんなわけでPlayストアをインストールしたくなります。しかし色々と方法はあるものの、謎のツールや拾ったapkを入れるのはセキュリティ的に不安です。
この記事では、外部ツール等を使わず可能な限りセキュリティ的に安全かつ手軽にPlayストアをインストールします。
ご注意
Amazon Fire自体が正常に動作しなくなる可能性もあります。その為、書いてある手順の意味が充分に理解できる方のみ行ってください。
当方では今のところ問題なく動作していますが責任は負いかねますので、リスクがあることを御理解の上でお読みください。
対象端末
Amazon Fire 7、Fire HD 8、Fire HD 10など。
2017年版(第7世代)のFire HD 8で動作確認。2016年版などでも恐らく同様の方法で可能です(未確認)。
必要なもの
Fire以外のAndroid端末(スマートフォン、タブレットなど)と若干のAndroidの知識。
2017年12月現在、OSバージョンは5系(Lollipop)が良い。6以上では失敗する可能性が高い(下記参照)。
概要
概ね以下の手順で作業を行います。
- Fire以外のAndroid端末から、Googleアカウント及びPlayストア関連のapkを抽出する。
- Fireに4つのapkファイルを転送。(以降はFireでの作業)
- Fireのアプリストアの自動アップデートを無効にする。
- 設定でストア外アプリのインストールを一時的に許可。
- 転送した4つのapkを順番通りにインストール。
- Playストアを起動してGoogleアカウントでログイン、設定からアプリの自動更新を停止。
スムーズにいけば10分前後で作業完了です。
手順の詳細
概要で解った方もいらっしゃると思いますが、やってみた手順は下記の通りです。
apkの抽出と転送
まずは、Fire以外のAndroid端末での作業です。
任意のAndroid端末で、Playストアから任意のapk抽出アプリ(Apk Extractor/提供元meher等)をインストールして起動、下記の4つのapkを抽出(apkファイル化)します。
- Googleアカウントマネージャー
- Google Play開発者サービス
- Googleサービスフレームワーク
- Google Play ストア
次に、抽出したapkファイルをFireに転送します。SDカード経由でもDropboxでも何でも良いのですが、ここではFireで最初から使えるAmazonのクラウドを使ってみます。
- 任意のAndroid端末側で、Playストアから「Amazon Drive」をインストール、起動、ログインして終了。
- 任意のファイル管理ソフト(ESファイルエクスプローラー等)を起動し、先ほどapk化した4ファイルを選択、共有でAmazon Driveに送る。
Fireの設定変更
ここからは、Fireでの作業です。
- アプリストアを開き、左上のメニューから「設定」を選択、「自動アップデート」を無効にする。
- 「設定」アプリを開き「セキュリティ」を選択、「詳細設定>不明ソースからのアプリ」を有効にする。
自動アップデートを無効にするのは、Playストア経由でインストールされたアプリとの重複更新を避ける為です。重複しないようならONのままでも大丈夫だと思いますが、もし重複更新されると色々と不具合が起こる可能性がありますので要注意。
不明ソースからのアプリの許可は、これをしないとPlayストアをインストールできないので必須です。しかし、Playストアのインストール後は無効に戻しても、Playストア経由でのアプリのインストールは可能です。
Playストアのインストール
プリインストールされている「ドキュメント」アプリを開き、「CLOUD DRIVE」タブにある先ほどの4ファイルを必ず下記の順番でタップしてインストールします。
- Googleアカウントマネージャー
- Google Play開発者サービス
- Googleサービスフレームワーク
- Google Play ストア
順番通りインストールが完了したら、ドキュメントを終了し、追加されたPlayストアのアイコンをタップして起動します。
無事起動したらGoogleアカウントでログインしてインストール成功です。おめでとうございます!
最後に、念のためPlayストアの設定で「アプリの自動更新」を停止しておきます(重複更新を避ける為)。
また、先ほど設定した「不明ソースからのアプリ」を無効に戻しておきましょう。
上手くいかないケースも
上記の方法でPlayストアのインストールに失敗するケースもあるようです。
予想になりますが恐らくは、抽出元の端末のAndroidバージョンが、FireのAndroidバージョンよりも高い場合に適合せず、失敗するケースがあるのではないかと思います。
2017年12月現在の現行FireタブレットのAndroidバージョンは5.1.1ですので、抽出元も5系が良いでしょう。また、未確認ですが4系でも、自動アップデートされるので問題ないようです。6以降のバージョンでは現状、止めておいたほうが無難です。
重ねての注意になりますが、動作不良の原因になる可能性もありますので、もし不安であれば導入しないことも含めて検討の上、導入作業は慎重に行いましょう。