楽天モバイル UN-LIMIT のデータ通信量による速度制限

2022/09/16

#スマホ UNLIMIT-VII 楽天モバイル

楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VII」は月額 3,278円(税込)でデータ通信量無制限なのが大きな魅力ですが、通信速度については条件を明言していないものの「速度制御の場合あり」となっています。

この通信速度制限の適用と解除の条件や、使用感について解説します。

制限についての公式説明

楽天回線エリアの通信速度制限は、公式には次のように説明されています。

データ無制限で高速通信を利用可能 ※1
※1 データ無制限は楽天基地局接続時となります。公平なサービス提供のため速度制御をする場合があります。

データ通信量については無制限ながら、通信速度については制限する場合があると説明されています。
制限の具体的な条件の記載はありませんが、速度制限があることは明記されています。

通信速度制限の条件

実際の通信速度制限の条件は次の通りです。

  • 1日あたり10GBまで速度無制限。
  • 当日の通信量10GB超過時は約3Mbpsに制限。
  • 翌日の0時以降に速度制限が解除され、新たに当日10GBまで無制限になる。

なお公式には制限の条件について説明はないものの、1年以上前から同様の制限が続いています (2022年9月現在)。

制限の解除時刻について

通信速度制限の解除は、制限翌日の 0時ぴったりではありません。
0時0分を数分から数十分過ぎた時点で解除されます。

解除時刻は一定ではなく、日によってばらつきがあります。
おそらく、速度制限の判定と解除の制御に時間を要しているのだと思います。

実際の解除時刻は 0時11分, 0時16分などで、遅いときは 0時50分頃になることもありました。


速度制限中と制限解除時の通信速度 (PCで測定)

制限時の使用感

上記のように楽天回線エリアの速度制限は 3Mbps と、ある程度実用的な速度が出るようになっています。
制限時の速度としては、MVNO などの他社と比べても良好です。

そのため、高画質な動画を見たり、複数端末で同時利用したりしない限りは、実際には「少し遅いかな?」という程度で済むことが多いです。

動画も 720p 程度ならほぼ再生可能

3Mbps という速度は、1時間あたり約 1.35GB を送受信できるため、YouTube で 720p や、中程度の画質のフルHD(1080p)動画なら多くは遅延なく再生できます。
Abema は最高画質でも 1時間あたり約 1GB のため、こちらも問題なく再生できます。

高画質な動画は厳しい

高画質な動画では、転送速度が不足し、スムーズに再生できない場合が多いです。
実際には動画の画質や圧縮品質次第で必要な転送速度(ビットレート)が異なりますので、720p でも再生が追いつかない場合もあります。

例えば DAZN は画質が自動調整される仕組みですが、ビットレートは最高で 5Mbps ~ 10Mbps 程度に達するため、高画質でスムーズな再生は困難です。
一般にスポーツは動きが激しく、低いビットレートでは充分な画質が得られません。

4k 動画はビットレートが数十Mbps程度になる為、再生できません。
また、フルHD(1080p)の動画でも多少高画質ならば 3Mbps を大きく超えてしまい、やはり再生は困難でしょう。

速度制限を考慮した実際の転送量上限

速度制限があることを考慮すると、1日中、最大限通信を行ったとしても、実際にはデータ転送量の上限がほぼ決まっていることになります。
10GBを最初の1時間で使い切ったと仮定し、残りの23時間を 3Mbps の上限値で使い続けた場合は、概ね次のような計算になります (単位による誤差あり)。

3Mbps = 375kB/sec として
0.375 MB × 3600秒(1時間) = 1350 MB
1.35 GB × 23時間 = 31.05 GB
31 GB (速度制限中) + 10 GB (速度無制限) = 41 GB

従って、1日あたりの現実的な転送量上限は約 41 GBです。

仮に 100GB の超大作ゲームをダウンロードするとすれば丸2日以上かかり、その間は他の用途には満足に使えないことを考えると、数十GBクラスのダウンロードでもかなり厳しいと言えます。

適していない用途

現状では 1日あたり10GB制限がある Rakuten UN-LIMIT VII は、次のような用途には向いていません。

  • 大容量ダウンロード
  • 4k など高画質動画の連続再生
  • テザリングによる家族間での共用
  • 速度制限時の複数端末の同時利用

制限の緩和に期待

4k動画やゲームなどの大容量コンテンツも珍しくなくなった今日では、1日10GBでも充分とは言えなくなってきています。

例えば 30Mbps の 4k動画を見ると、転送量は1時間で 13.5GB に達するため、1時間ドラマ1本を見ることすら困難です。
フルHD動画でも、高画質なものだと 3時間程度で 10GB に達します。

1日15GB~20GB程度まで制限が緩和されれば、休日に高画質な動画を長時間楽しむことも可能になるため、かなり使い勝手が良くなりそうです。
5G の急速な普及に伴ってデータ通信帯域には余裕ができるはずなので、通信量制限の緩和に期待しましょう。

パートナー回線エリアの制限

パートナー回線エリアの通信量による速度制限については、公式に説明されています。

「my楽天モバイル」の「データ高速モード」がONのときは、国内5GB、海外2GBまでは無制限。
データ高速モードがOFF または 通信量上限を超過すると国内1Mbps、海外128kbpsに制限されます。
(2022年9月現在)

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