今回はスマートフォンを中心としたコンピュータの未来について、個人的な予測を交えて書いてみます。
スマートフォンの普及率
最近、スマートフォンからのアクセスが急増中です。
運営サイトお絵描きJPのアクセス統計では、一年前にはほぼゼロだった Android のアクセスが、ここ六ヶ月で 5.27%を占めるまでに急増。
同期間の iPhone 2.48%、iPod touch 0.82%、iPad 0.65% も合計すると全体の 10%に迫る勢いです。
お絵描きJPはまだスマートフォン対応していないにも関わらずこの数字というのは、驚異的と言えるでしょう。
また、同期間の調査では Windows PC からのアクセスは緩やかに、しかし確実に減少しています。
(12ヶ月前からの 6ヶ月間が 88.67%、最近 6ヶ月間が 83.46%)
Windows のシェアは依然圧倒的ですが、短期間でこれだけ数字が変化した事は、PC からスマートフォンへの移行が進んでいる一つの証拠だと感じました。
今後もスマートフォンの普及は進み、Windows のシェアは徐々に縮小してゆくでしょう。
筆者の友人はスマートフォンにしてから、PC をほとんど起動しなくなったそうです。
実際に僕も持ってみると、PC が不要とまでは思わないものの、PC には無い多くの魅力をスマートフォンから感じます。
PC よりもずっと画面が小さいにも関わらずです。
僕はこれまで、携帯電話(いわゆるガラケー)では、到底 PC の代用にはならないと思っていました。
いったい、何が違うのでしょうか。
スマートフォンが魅力的に映る理由
ガラケーには無くて、スマートフォンにある魅力。
その最大の要因は、タッチパネルにあると思っています。
「タッチパネルなんか昔からあるじゃないか」と言われれば、確かにその通りです。
ただ、昔のタッチパネルは検出精度が悪く、操作感は良いとは言えないものでした。
近年普及が進んでおり、スマートフォンに多く採用されている「静電容量方式」のタッチパネルにより操作精度は向上し、同時に2点以上を認識できる多点検出により、操作の幅が大きく広がりました。
ガラケーには成し得なかった事
携帯電話に足りなかったもの。それは、快適な入力装置です。
キーボードとマウスを使う PC の操作の劣化版とも言えるガラケーの操作は、PC に慣れた人にとっては非常にまどろっこしいものでした。
PC 以上のことは出来ないにも関わらず、操作手順は確実に PC より多いのです。
その操作もガラケーを使い慣れた人にとっては、それほど苦にはならなかったでしょう。
それでも、PC よりも便利と言える所は、気軽に持ち運べる事と電話が出来る事くらいだったのです。
PC には無いスマートフォンの魅力
スマートフォンの操作感は、PC とは大きく違うものです。
スマートフォンの入力装置は、ほぼタッチパネルのみです。
(他に、いくつかのボタンが付いている場合もあります)
PC には必ずある物理キーボードは、スマートフォンにはありませんから、文字入力に関して言えば PC のほうが適していると言えます。
スマートフォンも慣れれば快適に入力できますが、同じく慣れたキーボードの速度にはかなわないでしょう。
しかし、マウスに関して言えば話は全く別です。
スマートフォンのタッチパネルと PC のマウスは、似た面もありますが、大きく特性が違う入力装置です。
画面をタッチすることの直感性はマウスでは味わえないものですし、同時に2点以上をタッチする操作は、マウスでは不可能です。
これらの操作はスマートフォンの操作感の向上に絶大な影響を与え、素早く直感的に操作できる「使うことの楽しさ」を生み出しています。
PC のシェアを奪うスマートフォン
PC とは方向性の異なる入力装置を手に入れた事で、スマートフォンは新しいコンピュータの世界を切り開く可能性を帯びてきました。
おおげさに聞こえるかもしれませんが、実際に使っていると本当にそれくらい革新的なものだと感じます。
PC の代用品だったガラケーとは違い、タッチパネル操作は PC には無い利便性を生み出すのです。
その結果、PC を利用する機会は徐々に減ってゆくでしょう。
特に、PC のライトユーザは、気軽に使えるスマートフォンのほうが便利であると感じるはずです。
スマートフォンと PC が住み分ける世界へ
スマートフォンに足りないものもあります。
大きなキーボード、広い画面。
これらはどうやっても、スマートフォンが手に入れられないものです。
このような事から、用途により、スマートフォンのみを使う人とスマートフォンと PC を併用する人に別れるようになるでしょう。
キーボード入力が中心の事務作業や、大画面を必要とするゲーム、あるいはより高い性能を必要とする用途には引き続き PC が使われる事になるだろうと思います。
それ以外の、ウェブブラウジング、SNS、メールやスケジュール管理、カジュアルゲームなどはスマートフォンだけでも充分に役目を果たせます。
PC でしか出来ない事を必要とするコアユーザ以外の、一般の多くの人は、スマートフォンのみを使うようになるでしょう。
特に個人用途ではそれが顕著になるのではないでしょうか。
ウェブの主流はスマートフォン向けに
ウェブサイトは今後急速にスマートフォン対応が進み、ブラウジングはほぼスマートフォンだけで不自由しない状況になると予測しています。
スマートフォンが普及し切る頃には、PC よりスマートフォンでサイトを見るユーザのほうが多くなり、サイト開発のメインターゲットはスマートフォン、よりリッチにカスタマイズしたページを PC 向けに制作するのが基本になるでしょう。
また、スマートフォンに搭載されているブラウザは新しいので、ウェブの新規格である HTML5 や CSS3 を使って、表現力豊かなサイトを制作できます。
ウェブサイト制作者は、現在まで制作の大きな足かせとなってきた標準規格に準拠しないブラウザ Internet Explorer(主に8以前のバージョン)との互換性を考慮する必要が無くなります。
HTML4 以前の古いウェブの時代は終わり、HTML5 + CSS3 の時代がやってきます。
スマートフォンの普及と共に、インターネットは有史以来、最大の変革を迎えるのです。